合成の誤謬とは、正確には「ミクロの視点では合理的な行動であっても、それが合成されたマクロの世界では、必ずしも良くない結果が生じてしまうこと」を指す経済学用語です。
例えば「個人や企業の全員がそれぞれプラスになることをしているのに、結果として経済全体には悪影響を与えてしまう」事例が合成の誤謬に当たります。
一般的に、「貯蓄をするのは良いことだ」とされています。
実際、ある個人が貯蓄志向になれば、その個人の貯蓄額は増加していきます。
しかし、「国民全員が貯蓄志向になれば、社会全体の貯蓄額が増加していくか」というと、実はそうでもありません。
貯蓄額が増えると消費額が減り、市場全体の総需要が減ってしまいます。
そして、市場全体の総需要が減れば、会社の売り上げも当然下がってきます。
つまり、国民が5万円貯蓄額を増やした場合、それがそのまま売り上げの低下につながって、国民の総所得が5万円減ってしまうのです。
個人は貯蓄額を増加させようと動いたにも関わらず、それが原因で国民の総所得が減ってしまい、結果として経済全体では同額の貯蓄額の減少をもたらしてしまう。
結局のところ、消費税を10%に上げるという事は、期間限定の還元は別として、個人は税金を2%余計に支払うことになり政府に入る税金は増える。しかし、今までの経験則から一般的に消費が減り、景気が悪くなり、企業業績は悪化し、税収が減る。悪循環である。
なぜわざわざ悪くなることをするのか?
強い圧力がどこからかあるのでしょうか?
いつも犠牲になるのは一般国民である。我々が苦しくなった分どこかの誰かにそのお金が回っているのだ。そしてそのお金は、その人たちにとってたいして必要でもないお金なのかもしれませんね。