夢見るくそ爺のブログ

見果てぬ夢を追いかけて

網膜剥離

網膜剥離

 

いつからだろう。見え難いなと感じたのは。

「これは飛蚊症か?」と思った。

 

この日は午後にウォーキングをしていた。

ふと空を見上げると無数の虫が飛んでいる。

いや違う、これはそう見えていると思った。

飛蚊症にしては多すぎるなと思ったが、

様子を見てみることにした。

 

次の日、「目の前の虫」はそのままで、

更に糸くずみたいなものまで見えた。

インターネットで調べてみた。

網膜剥離?」

「明日眼科を受診しよう」と思った。

翌日早退をさせて頂いて眼科を受診した。

網膜剥離です。」

「ガ~ン。やっぱりか。」予想通りだ。

「レーザーで治療してみましょう。」

お願いした。

しかし、レーザーだけでは無理だったようで、

「残念ですが手術が必要だと思います。」

再び「ガ~ン。」

「紹介状を書くので

明日朝一番で行ってください。」とのこと。

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翌朝、

筑波大学附属病院で診察を受けた。

「手術が必要です。入院してください。」

やはりそうか。観念するしかない。

「来週の火曜日が手術の日になるので、

入院は日曜か月曜日になります」との事。

「目の手術なんてどんな手術なのだろう。」

という不安が頭をよぎった。

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月曜日に入院となった。

病院に入院なんて何年振りであろうか?

中学生の時に交通事故で入院して以来だ。

 

その後、副主治医の先生より

手術内容などの説明があった。

網膜剥離白内障の手術を

同時にやることになった。

白内障の手術については、

網膜剥離の手術後に白内障になりやすく、

また手術が必要になることが多いので

同時にやりましょうとの事。

その日は特に不安もなく眠れた。

いよいよ明日手術だ。

 

手術当日朝食はなしである。

眼科4番目の手術らしい。時間は11時頃。

10:30頃手術着に着替えた。

 

いよいよだ。

手術室まで車椅子である。緊張してきた。

やはり小心者の俺はビビリ始めてた。

手術室に着くと、

前の患者さんが手術中で様子も見えた。

しかし、よく見ないようにした。

終わるまで待ちである。

時間が長く感じるし、ドキドキしてきた。

看護師さんが、

「緊張しますか。」と話しかけてくれた。

「緊張しますね。」

と言って待っている間少し話をして頂き

緊張を解して頂いた。

ありがとう。

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順番が来た、いよいよだ。

前の患者さんが出てきた。

表情は何となく笑っているような気がした。

という事は辛くなかったのか、と勝手に思った。

歯医者さんみたいな椅子に座らされ、

点滴をされ、血圧計を装着し、

顔面にシールのようなものを被された。

光だけが見える。

始まった。

血圧200、という先生の声が聞こえた。

「力を抜いてください。」と言われた。

まずい、かなりビビっている。

情けないが小心者は隠しようがなかった。

どのくらい時間が過ぎていったのだろうか?

見えたのは強い光と、

時々見える針が刺さっている影みたいなもの。

痛みはなかった。

「終わりました。」と先生が言われた。

「終わったか。良かった。」

ほっとしている自分がそこにいた。

「ありがとうございました。」と先生に言った。

「空気を入れたので、下を向いていてください。」

と言われた。

手術椅子から降りて再び車椅子へと乗った。

 

下を向いていたので顔は見なかったが

さっきの看護師さんだと思うが

「お疲れ様。痛かったですか?」と言って

肩を軽くもむ仕草をしてくれた。

重荷を下ろされた気がした。

ありがたかった。感動した。看護師さんは天使だ。

やはりかなりビビっていた証拠だ。

情けない自分が隠しきれなかった。

 

そして車椅子で部屋まで連れて行って頂いた。

それから1時間は安静にして、

様子を見ることになっている。

1時間が過ぎた。思ったよりも早かった。

水を飲むのも、歩くのも問題はなく

点滴も外して頂いた。

 

次の戦いの始まりである。

うつ伏せである。第2関門である。

目の痛みはほとんどない。

 

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下向きは辛い。

言われたことを守らないで

再手術にでもなったら大変だ。

真面目に下向きを守る。

その後も、夜も、、、辛いが何とかなった。

 

 

手術から2日が過ぎた。

主治医の先生が、

「順調ですね。週末には退院できそうですね。」

嬉しかった。思ったよりも早い退院だ。

 あと少しの辛抱だ。

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退院の朝、

晴れ渡った朝焼けの空がきれいだった。

これでうつ伏せから解放される。

それが何よりうれしい。

ただ、目はまだまだ治っていない。

油断は禁物である。

同室の人とは何も話さなかった。

 

病棟を出ていく時に、

ここに来て初めてほかの患者さんと話をした。

診察を待つおばさんだった。

「おめでとうございます。」

「ありがとうございます。」だった。

何故かほっとした。

人は言葉の魔力に負ける。

心が動かされる、

言魂である。

とつくづく思った。

 

家族が迎えに来てくれた。

入院が終わったのだ。

 

ここからが第3の関門だ。

本当に治すのである。

待つだけではあるが。

 

そして、その次は第4の関門である。

全般的な健康である。

食事、運動、飲酒、その他生活を見直し、

残りの人生を豊かにするために

健康に気を使うという事である。

何としても関門を通り抜けて、

明るい未来に向けて進むのだ。

 

突然ではあったが今回の病気で、

今後の人生について

色々な面から見直すことができそうである。

自分は大した人間ではないことは

良く分かっている。

だけど、俺は俺なりの、

頑張ったと言える残りの人生を、

生きて行きたい。

今回はいい経験をさせて頂いた。

感謝ですな。

 

網膜剥離

網膜剥離手術

#入院生活

#言霊(言魂)